墓石ローンとメモリアルローン—違い・金利・選び方を完全解説

📋 この記事でわかること

お墓の費用を分割で支払う「墓石ローン」と「メモリアルローン」の違い、対象範囲、金利相場、申込条件をWeb編集者がデータで整理。住宅ローンとは違う独特の仕組みを、150万円借入シミュレーション付きで分かりやすく解説します。

📖 この記事は約13分で読めます。

2種類のお墓向けローン

お墓の費用を分割払いするためのローンには、「墓石ローン」と「メモリアルローン」の2種類があります。名前が似ているため混同されがちですが、対象範囲と仕組みが異なります。

違いを早見表で確認

墓石ローン メモリアルローン
主な対象 墓石工事費 葬祭関連全般
含む費用 墓石建立・据付・彫刻 永代使用料墓石葬儀費用・仏壇
金利相場 5〜10% 3〜8%
提供元 石材店提携の信販会社 地銀・信用金庫・信販
申込のしやすさ 石材店経由で簡単 金融機関の審査必要

墓石ローンの特徴

対象範囲

墓石本体、外柵カロート、彫刻、据付工事——お墓の物理的な部分の費用が対象。永代供養料や永代使用料は基本的に含まれません。

提供元

石材店が提携する信販会社(オリコ、ジャックス、セディナ等)が主流。石材店の店頭で申込みできるため、手続きがシンプル。

金利

5〜10%が中心。住宅ローン(1〜2%)より高いですが、カードリボ(15〜18%)よりは安い。

審査

比較的緩めの審査。年金収入のみでも通ることが多く、年齢制限も70歳〜75歳までと比較的高め。

メモリアルローンの特徴

対象範囲

永代使用料、墓石建立費、葬儀費用、仏壇代、納骨堂使用料——葬祭関連の費用を幅広くカバー。お墓のトータル費用を1本のローンで賄えます。

提供元

地銀・信用金庫・JAバンクなどの金融機関が中心。葬儀社や霊園が提携する金融機関を紹介してくれることも。

金利

3〜8%が中心。地銀の中には2%台の低金利商品もあります。

審査

金融機関の通常審査。墓石ローンより厳格だが、低金利の代わり。

150万円借入シミュレーション

金利5%、元利均等返済の場合:

返済期間 月々返済 総返済額 利息
3年 約45,000円 約162万円 約12万円
5年 約28,300円 約170万円 約20万円
7年 約21,200円 約178万円 約28万円
10年 約15,900円 約191万円 約41万円

期間が長いほど月々負担は軽いが利息合計は増えます。短期返済が原則。

どちらを選ぶべきか

墓石ローンが向く方

  • 急いでお墓を建てる必要がある
  • 墓石部分の費用だけ借りたい
  • 金融機関審査が苦手
  • 石材店ですべて完結させたい

メモリアルローンが向く方

  • 葬儀・お墓・仏壇など総合的に借りたい
  • 低金利を優先したい
  • 地銀・信用金庫に口座がある
  • 長期返済(5〜10年)を考えている

申込前に確認すべき5項目

① 実質年率

「金利」と「実質年率」は別物。保証料・手数料込みの実質年率で比較すること。

② 繰上返済手数料

余裕資金で繰上返済する際の手数料を確認。無料の金融機関を選ぶのが理想。

③ 団体信用生命保険

住宅ローンと違い、お墓向けローンには団信が付かないのが一般的。借入者が亡くなった場合、残債は相続人が引き継ぎます。

④ 申込者の年齢・収入条件

多くは70〜75歳までの申込が可能。80歳以上は厳しい。年金収入のみでも審査可の商品もあります。

⑤ 担保・保証人の有無

無担保・無保証人が中心ですが、商品によっては要保証人。家族に負担をかけたくない場合は無保証人型を選びましょう。

無金利キャンペーンの注意点

「無金利」を謳うローンもありますが、ほぼ全てが期間限定(6か月〜2年)。それを過ぎると通常金利に切り替わります。期間内に完済できる金額のみを利用するのが鉄則。
「金利0%、月々5,000円」という広告に飛びついて、2年後に金利10%超に切り替わって慌てるケースが頻発しています。

ローン以外の選択肢

選択肢1:費用を抑えた選択

一般墓(200〜300万円)ではなく、樹木葬(30〜100万円)や永代供養墓(5〜30万円)を選ぶことで、借入なしで支払える可能性。

選択肢2:互助会・葬儀社の積立

月々数千円から始められる積立制度。必要な時に積立金を活用。長期計画派向け。

選択肢3:保険を活用

生命保険の死亡保険金や、葬儀保険を活用することで、借入なしで葬祭費用を確保する方法も。

賢いローン選びの3ステップ

  1. まず費用を抑えた選択肢(樹木葬合祀墓)を検討
  2. それでも借入が必要なら、3社以上から見積もり比較
  3. 実質年率・繰上返済条件・期間で総コスト比較

取材で見た「ローンで後悔」事例

取材した50代男性。お父様が急逝し、急いでお墓を建てる必要があり、石材店紹介の信販ローン(金利8%)で200万円を10年返済で借入。月々約24,000円の返済が、年金生活に入った後の負担になり、後悔されているとのこと。「最初の見積もり段階でもっと安価な樹木葬を検討していれば、ローンも不要だったかもしれない」と振り返っていらっしゃいました。
急いで決めないこと、複数選択肢を冷静に比較すること——これがローンで後悔しない最大のコツです。

よくある質問(Q&A)

Q. 墓石ローンとメモリアルローンの審査の違いは?

墓石ローン(信販系)の方が緩め、メモリアルローン(金融機関系)の方が厳格。年金生活者は信販系の方が通りやすい傾向。

Q. クレジットカード払いとの違いは?

カードのリボ払いは金利15〜18%と高金利。お墓向けローンの方が低金利。ただしカード一括払いなら金利ゼロなので、それが可能ならカード一括が最安。

Q. 返済中に契約者が亡くなったらどうなる?

団信なし契約が一般的なので、残債は相続人が引き継ぎます。生命保険の活用や短期返済を心がけましょう。

Q. 永代使用料もローン対象になりますか?

メモリアルローンなら対象。墓石ローン(墓石工事費限定)は対象外。総額をローンに含めたい場合はメモリアルローンを選びましょう。

Q. ローン返済の間に支払えなくなったら?

早めに金融機関に相談を。返済期間延長やリスケジュールで対応できる場合があります。延滞を続けると信用情報に悪影響が出るので、早期相談が鉄則。

✍️ 執筆者より:高橋 健介

Web編集として比較記事を100本以上扱ってきたなかで、お墓向けローンほど「読者の不安が大きく、情報が少ない」テーマは珍しいと感じています。住宅ローンなら様々な比較サイトと体験談が溢れていますが、墓石ローン・メモリアルローンに関する詳細情報は意外と少ない。

数字で見ると、150万円を5年で借りた場合の利息合計は約20万円。これを「高い」と見るか「やむを得ない」と見るかは状況次第ですが、Web編集の経験では、ローン利用前に「本当に必要か」を再検討して、結局より安価な樹木葬や永代供養に切り替える方が約3割いらっしゃいます。「ローンを使ってまで一般墓を建てる必要があるか」を冷静に判断することが、まず大切な第一歩です。

Webで調べる際のポイントとして、金利だけでなく「実質年率」「保証料」「事務手数料」「繰上返済手数料」を全て含めた総コストで比較することが鉄則。広告で目立つ「金利○%」だけ見ると、実際の負担が見えなくなります。複数の金融機関から見積もりを取って、書面で比較してください。

もう一つお伝えしたいのが、地銀・信用金庫のメモリアルローンは、ネットで広告される信販ローンより金利が低いことが多いということ。「お墓のローンは石材店経由で」と思い込まず、地元の銀行にも相談してみてください。年金受給者でも審査通過するローンもあります。

取材で印象的だったのが、ご家族の方の「父の急逝で慌てて高金利のローンを組んでしまった」というお話。落ち着いて検討する時間があれば、別の選択肢があったはず——という後悔の声です。この経験を踏まえて、私はいつも「お墓は急ぐ必要がない」とお伝えしています。納骨は四十九日まで時間がありますし、その間に複数の選択肢を比較できます。慌ててローンを組む前に、必ず1週間は冷静に考える時間を持ってください。

最後に、お墓向けローンは家族への遺産にもなりうる、ということを意識してほしいと思います。団信なしの商品が一般的なので、残債は相続人に引き継がれます。借入額と返済期間は、家族の将来も含めて慎重に検討してください。それが、お墓を建てる本来の目的——家族の絆を未来に繋ぐ——と合致する選択につながります。

高橋 健介

副編集長 / Web編集・SEO・比較記事担当

Web系出版社で10年以上、生活情報サイトの編集に携わる。データと比較表で複雑な情報を整理する手腕に定評があり、お墓・霊園の価格比較記事を年間100本以上担当。

関連記事

目次