改葬とは
改葬とは、すでに納骨されている遺骨を別のお墓に移すことで、「お墓のお引越し」とも表現される手続きです。墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)第5条で正式に規定された行為であり、必ず行政の許可が必要です。少子高齢化と都市集中化の進行により、改葬件数は年々増加しており、厚生労働省の統計では年間13万件を超え、過去10年で1.5倍に増えています。「実家の遠方の墓を自分の家の近くに移したい」「墓じまいして永代供養に切り替えたい」など、現代特有のニーズに応える重要な選択肢となっています。
改葬の主な理由とパターン
改葬の主な理由とパターンは次のとおりです。①遠方化対応:実家の墓が遠方で管理困難、自宅近くに移したい。改葬全体の最多パターン。②永代供養への切替:後継者不在、一般墓から永代供養墓・合祀墓へ。墓じまいを伴う改葬。③霊園の問題回避:現在の墓地で施設老朽化や管理不備、別の霊園へ。④寺院との関係整理:檀家関係を解消し、宗教自由の霊園へ。⑤家族構成変化:結婚・離婚・再婚により家族のお墓を再編成。⑥タイプ変更:一般墓から納骨堂・樹木葬へのスタイル変更。⑦災害・再開発対応:地震・水害・都市再開発で墓地が移転を余儀なくされるケース。
改葬の手続きと費用
改葬の手続きと費用は次のとおりです。①改葬許可証取得:現在の墓地がある市区町村役所に申請、必要書類は「埋蔵証明書」「受入証明書」「改葬許可申請書」、発行手数料は無料〜300円。②閉眼供養:現在の墓で行う「魂抜き」の法要、お布施3〜10万円。③墓石撤去工事:基礎を含めた撤去、30〜100万円(区画の広さ・立地で変動)。④遺骨の取出し:石材店または霊園が対応、別途費用1〜3万円。⑤離檀料:寺院墓地から移る場合の慣習的な御礼、5〜30万円(強制ではないが法的根拠なし、寺院との関係で決まる)。⑥新墓地の費用:新規購入の永代使用料、墓石代、各種費用。⑦開眼供養:新墓での「魂入れ」の法要、お布施3〜10万円。⑧総額:50〜500万円と幅広い、永代供養への切替なら抑えられる。
改葬を成功させるポイント
改葬を成功させるポイントは次のとおりです。①親族への事前相談:本家筋・分家筋・遠縁含めた合意形成、最も重要かつ困難。②寺院との対話:閉眼供養の依頼、離檀料の話し合い、関係を悪化させない丁寧なコミュニケーション。③信頼できる石材店:墓石撤去は適切な業者選びが重要、相見積もりを取る。④遺骨の状態確認:古い遺骨は土に還っている場合あり、複数のご先祖がまとまって出てくることも。⑤行政手続き:改葬許可申請書の必要書類を揃える、不備があると差し戻し。⑥スケジュール余裕:3〜6ヶ月の期間を見込む、急ぐと後悔する。⑦専門家の活用:行政書士・終活カウンセラーへの相談、複雑なケースほど効果大。⑧家族の心情ケア:改葬は故人を移動させる行為、家族の感情面に寄り添う。
— お墓さがし.jp 編集長 / 中村 千鶴